23.3.15

雪舟えま「ちしゃの旅」『小説新潮 2014年3月号』収録

今さらながら1年前の『小説新潮』の「食欲vs性欲」特集を読んだ。

性欲の方ではあまりそういう傾向はなかったけれど、
食欲パートの短編はどこか性をにおわせる作品が多かった。

その中でも、雪舟えまさんの「ちしゃの旅」がとても好みだった。

児童小説の書き手でもあり、歌人でもある雪舟さんの文章は、
いつも光にあふれていて素敵だ。
光、温度。
わたしたちを包むものたち。
心と体の有り様は不思議な「学校」が教えてくれる。

── 
「どうして心はみんな違うのですか」
「さまざまな想い、さまざまな経験が生まれることを、この宇宙は望んでいるからですよ。(略)」
──

姿は似たりよったり、でも、心はみんなそれぞれ。
それぞれ、そうわたしたちが経験することが、
宇宙を作ることだなんてロマンチックな真実。



別にこのブログで紹介するにはエロが足りないような気がしますが、
この作品の中にでてくる食べ物の手触り、無我夢中で食べる幸福感は官能に通ずるものがある気がして……
自己と他者と、自分たちではどうにもならないことと。



主人公の生物「ちしゃ」とは、「知舎」なのかな。「知者」なのかも。

とても可愛らしいお話。







8.2.15

『SKYNBUN』夜の診察室

縁あって、話題のコンドームSKYNのフリーペーパー『SKYNBUN』にコケティッシュなショートシナリオを書きました♡
「お手軽妄想プレイ」です。サイト、かわいいな♡ 
コケティッシュとしか、表現できないショート、初挑戦でした。
官能とは違うのよ。

このコンドームSKYNは、今までのコンドームとは違ったやわらかさがウリ。
個人的には女性にお勧めしたいかな。
たぶん、女性の方がやわらかな密着感を求めていると思うので。
みなさま、いかがでしょう。

フリーペーパー『SKYNBUN』は
実際に配布もされているので、現物もゲットしてみてください。

★配布予定
2/14 JR渋谷駅東口周辺 16時〜
2/20 桜木町駅周辺 16時〜
2/27 恵比寿駅周辺 16時〜

ちなみに第一弾配布は2/7渋谷マークシティー周辺ですでに行われた模様!


‪#‎やわらかい関係‬
http://www.skynbun.jp




1.2.15

突然

今日、ものすごいSのシチュエーションを考えついたのだが、

だかしかし、『家畜人ヤプー』に既出だったかもしれぬので、また読まなくては。

27.10.14

『TV.Bros』10/25号

大好きな各週刊誌『TVブロス』に
またまた書評めいたものを書かせていただきました。
誠にありがたいこってす!!!


取り上げたのは中村淳彦さんの『日本の風俗嬢』です。

色んな切り口でたくさん書きたいことある本でした。
中村さん、ヒット作続きなのも納得の面白さ。
『名前のない女たち』シリーズも好きです。

この号ですよ!
「ブロスの本棚」というコーナー。







今さらながら、書きだし、もっとうまくやれたわーーーーぁっとなるのは、
まぁ、あるあるだな。精進精進。




15.10.14

2014.08.08発売の『anan』

そうそうそう! 

そういえば今年も書いていました『an・an』のセックス特集!
読者の体験談をリライトいたしました。
どれが私が手掛けたものか当ててください!!って周りにいっているのですが、
みんなぜんぜんやってくれない(泣)

しかしながら、先週、
ついに、全問正解者がでました。

みなさんもよかったら当ててください。
あたったら焼き鳥ご馳走します。
10エピソードのうち、3つです!
さぁさぁ、当ててみぃ!!



『淫獣の宴』 草凪優

超絶テクを持つ男に、骨抜きにされたい夜は。



夏だもの、めちゃくちゃになるようなセックスがしたい! めちゃくちゃに感じまくって、おかしくなっちゃうようなセックスが……って願望を持ち続けて、早数年。しかし、現実ではなかなか叶いづらいものです。
仕方ないので、とびきりにセクシーな小説で疑似体験することにしましょう。


今回は、女性ファンも多い官能小説家・草凪優さんの『淫獣の宴』を紹介します。
この作品、特筆すべきは草凪さんの“じらし”テク。それは草凪さんの『夜の婚活』という作品でも発揮されていて、高級ランジェリーに身を包んだ主人公の局部には触れることなく、お尻や脚、胸を下着の上から触るだけで、その子をじりじりとオーガズムのフチへと追い詰めていくんです。主人公が「お願いだから、直に触って! 挿入して!」って叫びださずにいられなくなるまで。
『淫獣の宴』では、23歳のグラビアアイドル・希子が、銀座で月の売り上げ500万や1000万の売り上げを持つ、売れっ子ホステスたちの“イロカン”(女を“色”こと最高のセックスで営業や成績を管理すること)をしていた凄腕マネージャー・加治に、じらされ、とことん感じさせられてしまいます。しかも、自分の恋人の前で……。


──加治はまだ肝心なところには触れていないし、脚すらひろげてこようとしない。ごくソフトなタッチでお尻や太腿をなでまわしては、時折、息のとまるような口づけで舌を吸ってくるだけだった。──


それだけでも、体の芯が熱くなり、全身に汗をかく。この愛撫を30分あまり続け、


──加治の甘い言葉も、まるで耳に入ってこない。指先が乳輪にそっと触れたからだ。白い素肌とピンクの境界を、くるくると指が這いまわり、それだけで希子は泣きだしてしまいそうになった。体が浮遊するようなおかしな感覚と、怖いくらいの震えが同時に起こった。──


ここまでで、やっと乳輪! 直後、片方の乳首を舐められると希子はあまりの快感に叫びだしてしまうのですが、このセックスは、このあとも61ページも続き、言葉通りめちゃくちゃにされてしまいます。読んでるこっちも、熱くなる……この小説は、希子の性感が読み手にまでシンクロし、脳髄が溶けそうなほど感じさせてくれる一冊なんです!


夏の仕上げに、“寝取られ”トレンドもおさえた熱い官能小説を……ていうか、こんな超絶テクを持つ男性に、私も1度でいいから抱かれたい!! 


って、去年の夏に書いた原稿でした。
秋の夜長にひっそり更新。







31.5.14

『マサヒコを思い出せない』南綾子

セックスに困らず生きてきた、イケメンに抱かれるということ。



寝苦しい夜が続きますね。夏の夜は短いというのに暑気が私を寝かしつけてくれない……。
そんな夜は思い切って読書。文字を追いつつ寝落ちもよし、夜明けまで読みふけるのもよし。そのとき、朝日と共にすがすがしい気持ちで読み終えられれば、さらにいうことなし……次の日が休みの場合に限りますが。今回紹介する小説は幻冬舎文庫から、南綾子さん著『マサヒコを思い出せない』。寝付けないほどにムラムラさせられる、ということはないのですが、美化されずに書かかれたセックスからは、生々しさを感じることができます。


作品の主軸となるのは、生きる時代も場所も違う6人の女の人生に絡みつく、“絶対に女を幸せにしない男、マサヒコ”。マサヒコは巷でいうところのイケメンなんですが、このイケメンが本当にダメなイケメンで! 
よくいうじゃないですか、女に苦労してこなかったイケメンはエッチが下手、とか、愛撫で女を気持ちよくしてくれない、とか。まさに、その通りな、傲慢でだらしないセックスをする、ただし、美貌はある。しかも、それに自覚しているから、よりタチが悪いという男! だから、マサヒコとのセックスには先がない、希望がない。女たちは彼に惹かれることはあっても、彼を見切る。


でも、“美しい男に抱かれる”ことで得られる悦びもある。36歳の阪田愛美は25歳くらいのマサヒコに対して思う。


──こんなきれいな顔の男の子とセックスしたら、どんな気分がするだろうか。三十秒ぐらいでいってしまうかもしれない。──


マサヒコは愛美に求婚するが、愛美は相手にできない。捨てられることをわかっているから。あと、3歳自分が若ければ、とタイミングの悪さを呪うだけだ。ただ、愛美は出口がなくなった自分の人生の、はなむけとしてマサヒコと体をあわせる。自分の手に入ることのない若く美しい男とのセックスは、胸が締め付けられるような切ない快楽に満ちているのだ。若々しいペニスに少しこすられるだけで、いってしまいそうなほどに。


自分の納得のいかない現状が、目の前に現れた1人の男の存在によって、より露わになっていく。そしてその場所から離れることを女たちは決める。マサヒコとむかえる朝は決して晴れ晴れしいものではないけれど、自分自身の問題と向き合いながら読むのにもオススメの一冊。


ていうか! このマサヒコの女を幸せにしないセックスの数々、この部分だけでも読んで、こんなセックスに当たったら、その男からは一目散に逃げろ!!っていう、サンプルみたいなものなので、そういう意味でも読んでみて欲しい! 






南綾子 著 『マサヒコを思い出せない』幻冬舎文庫